プロレスとの出会い

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みんなの話についていけない。 なぜなら、テレビのプロレス中継は、 夜八時から始まっているため、 光雄は見たことが無かった。 クラスメートが、プロレスを教えてやるから来い! と言うので、廊下に出てみると、 いきなり後ろから抱きつかれたような感じで、 足や腕を複雑に絡めてきた。 痛い! 全身に激痛が走った。 やめてくれと言っても離してくれない。 教えると言うより、楽しんでいるようだった。 痛かったら、ギブアップと言えよ! そう言われたから、意味もわからずにギブアップと答えた。 そしたら離してくれて、ガッツポーズをとった。 何が何だかわからないうちに、「プロレス」は終了していた。 どうだ?これがコブラツイストだ! どうやらクラスメートは、コブラツイストと言う関節技を俺にかけたらしい。 そして、俺がギブアップ(まいった)と言う事により、 試合に負けたのを意味していた。 それから学校では休み時間になると、 男の子同士が廊下に集まり周りを囲み、 中央では二人が技を掛け合って遊ぶ遊びが流行りだした。 それがプロレスごっこであった。 もちろん、本気で殴ったりしないで、 相手も殴られたらわざと痛いフリをしてダウンする。 勝ち負けなど関係なく、自分がプロレスラーになりすまして真似をして楽しんでいる。
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