知らない間に、大きくなる光雄

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すると、今度はカラオケ店から連絡。 ぜひ、ウチの会社で店長として働いて欲しい・・・ 他に、店長候補の人は集まらなかったらしい。 しかし、運転代行を始めてしまったので、 カラオケの方は辞退することにした。 光雄は、ここが運命の別れ道の一つと考える。 もし、プロレスと出会ってなかったら? もし、長州力の存在がなかったら? もし、高校の時に県大会で優勝し、インターハイ全国大会に出場していたら? もし、大学に受かっていたら? そして、もしカラオケ店に行っていたら? きっと、今の自分は無かったであろう。 なぜなら、この運転代行の仕事より、 現在の仕事までずっと人脈がつながっていたからである。 一時期、プロレスとは遠ざかってしまうが、 最終的に、またプロレスと別のルートで近づくのであった。 運転代行を始めて半年、スタッフは副業でやっている人がほとんどだったが、 光雄は本業でやっていたので副所長の肩書きを持っていた。 しかし、休み無しの過酷なスケジュールに、 給料の支払い遅れなど、会社側とのトラブルもあった。 給料自体も歩合制なので安定しない。 そこで、転職を考えた。 副業のスタッフがたくさん居たが、 昼間はトラックの運転手って人が結構居た。 やはり運転の仕事をする会社だけのことはある。 その一人に相談したら、 俺は今はトラックの運転手だが、本当はパン作りをしたい。 ちょうどパン屋さんに就職が決まったので、トラックはやめるつもり。 そこで、トラック会社にお前を紹介して、俺の仕事を引き継いでもらおう。 と、話が上手くまとまった。 これまた直ぐに採用が決定し、 光雄はトラックドライバーとして仕事をスタートした。
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