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さて、話をプロレスに戻します。
当時は新日本プロレスと全日本プロレスと言う、
ふたつの団体が存在していた。
とくに新日本プロレスは、アントニオ猪木を筆頭に過激なカッコいいスタイルを演出していた。
アントニオ猪木を始め、日本人のレスラーが外国人を倒す。
そんな姿を見て、自分もアントニオ猪木のように強く、またカッコ良くなりたいと誰もがみなそう思っていた。
そしてもう一人、プロレス界に突然、彗星のごとく現われたスーパーヒーロー。
その名はタイガーマスク…
そう、漫画のヒーローが、そのまま本物のプロレスに誕生した。
漫画タイガーマスクの作者が新日本プロレスと提携して、
同じキャラクターを制作した。
格好も戦いのスタイルも漫画のタイガーマスクと同じ。
外国人レスラーをどんどん倒していく。
いままでのプロレスには無かった新しい技を次々に披露した。
たちまちプロレス界のスーパーヒーローになり、
ちびっこファンを始め、大人のプロレスファンをも虜にしてしった。
そうなってからは大変。
学校の休み時間には誰がタイガーマスクになるかの、
タイガーマスク権利争奪戦が始まる。
ジャンケンなんかで決まるのなら簡単だが、
みんなタイガーマスクになりたいから、そこで本当のケンカが始まってしまう。
そして勝った人がタイガーマスクになり、
負けた人は他の日本人レスラーになり、
そして一番弱かった光雄は外国人レスラーの役をやらされて、
いつもやられ役ばかりで到底タイガーマスクなどのヒーローはやらせてもらえなかった…
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