死の奇跡~第3章~声

3/3
前へ
/105ページ
次へ
「どうしたのっ!?」 「いえ…大丈夫です」 大丈夫と言った声はつらそうだ。 「そろそろ電話やめよっか」 「え…あ・でも、先輩勉強ありますもんね」 「うん、でもそれだけじゃなくて、まだ怪我が完治してないでしょ? だから…ね?」 「怪我なら大丈夫です」 「無理はだめだよ。 また、学校で会えるから」 「そんなこと…そんなこと言ったって、会えないじゃないですかっ!」 彼女は怒った言い方をした。 「俺は心配してるんだよ。 ね? 今は身体が大事」 ちょっと間が開いた。 「………わかりました」 「それじゃぁ…またね」 「おやすみなさい」 この時俺は、これが彼女の最期の言葉だと思いもしなかった。 、
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加