死の奇跡~第4章~事実

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次の日帰りの支度をしていると、顧問が来た。 「藤原ーっ今日ちょっと部活に出てくれー」 「えっなんでですか?」 「最初だけでいい。 制服のままで大丈夫だ。 大事な話しがある」 ――? 久しぶりの部活の風景。 顧問がみんなを呼んだ。 「…みんな山辺の怪我のことは知ってるな? それが今日悪化した。 …今朝、昏睡状態になってしまった」 「えぇっ!?」 思わず声をあげてしまった。 「山辺さん…そんなに悪かったんですか?」 「あぁ…刃が山辺の左腕から首にかけて…な。 深くはないが、大きくて出血がひどかったんだ。 ショック状態をおこしたらしい」 俺は呆然とした。 だって…昨日電話で話したばかりだよ? まさか… 「そんなに…危険なんですか?」 「最悪の場合は覚悟しておいてくれ」 みんなの息をのむ音が聞こえた。 ――なにも考えられなかった。 「今夜が山だそうだ。 藤原、明日の朝山辺の様子を連絡する。 みんなにまわしてくれ」 「はい…」 、
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