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そしてそれから1週間たった学校。
赤也達と一緒に移動教室へ向かっていると、廊下に仁王先輩とあの女の子が一緒に居るのが目についた。
あれから連絡は無い。
仁王先輩と目が合った。
私は逃げるようにその場を去……ろうとした。
「朔夜っ!!」
そう言って赤也に腕を掴まれる。
「結香。ちょっと2人で話していいか?」
結香は頷く。
「……離して?」
「嫌だ。」
「何度も言ってるじゃない!!無かったことにするからっ離して…んっ……」
私の唇は赤也のそれによって塞がれる。
仁王先輩に見られてるかもしれないのに。
「はっ……」
私は赤也を突き飛ばす。
「……んで…」
「…え?」
赤也が何か呟いた様だが、私には聞こえない。
もう一度聞き返す。
「何で俺じゃだめなんだよ!!あんな……彼女との約束ほっといて外の女と居るようなやつより、絶対俺のほうが朔夜の事好きだ」
抱き締められる。
聞こえる鼓動は何よりも早くて。私を抱き締める躰はずっと震えている。
「朔夜…俺にしろよ…」
「っ……」
「俺なら、絶対にお前をこんな風にしない。」
「っ……ぁ…たし…」
そうしていると、誰かに腕を捕まれる。
ふ、と香る嗅ぎ慣れた匂いに、それが仁王先輩だということがわかった。
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