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「…ところで実、身長制限とか大丈夫?今何㎝あるの?」
「う…146㎝…」
「あー、どうだろう…。150ならアウトだね」
「ッえ!?んー…大丈夫!!」
「…何が大丈夫なのよ」
「背伸びすれば150にはなるから、バレないように背伸びする…!!」
「う、うん…」
あまりにも実が真剣に言うので、亜矢は笑いをこらえて返事をした。
「にしても、ホンットに大きいよねぇ~このフリーホール…」
亜矢は辺りを見渡してみた。
巨大なフリーホールの周囲100mほどは、かなり見晴らしがいい。
なぜならさっきまで至るところにあった、家型アトラクションがまるでないからだ。
代わりに、フリーホールの周りには円形に堀のようなものがあり、中には水が入っている。
ちょうどフリーホールの建物のあるところが島のように孤立している感じだ。
そこへ続く橋は一つ。
行列はその橋の外側まで続いていて、今二人はちょうど橋の中間くらいまで来たところだ。
その堀の外側にはいくつかベンチがあり、そこでピエロの格好をした売り子がワゴンを押しながら風船を売っている。
しかし、食べ物を売ってる店などは見当たらない。
亜矢は少しだけそのことに違和感を覚えたが、たいして気にすることはなかった。
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