chapter1 ‐我ら青空会‐

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    藍「そ、そうなんだ。」 藍はまた長い長い溜め息を吐いた。 呆れの表情が読み取れる。 今日という日でこの少女は何回溜め息を吐いたのか――…、それ位吐いていた。 でも藍もこんな青空会が何だかんだ言って好きなのだ。 溜め息をついていても、内心は微笑んでいる時だって何回もある……。 そんな中藍と玲の話を聞いていたのか、藍から距離をとっていた輝彦が声を発した。 輝「まぁ……俺、頼りない生徒会長だけど"青空会"をちゃんとまとめていくよ。」 渡「あ? 出来んのかよ、お前なんかに。」 輝「渡……、お前いい加減俺の事なめんのやめろよ!」 玲「うるさいよ?(ニコ)」 玲のその言葉と笑顔に、言葉を出す事が出来なくなった。 二人は顔を引きつらせ、その場で固まってしまっている。 玲は未だにニコニコ笑っている。 そんな3人に、藍は話かけた。 藍「まぁ、良いじゃない。 これも楽しいし!」 優はそんな藍の言葉に、また眼鏡を上げる。 優「少しうるさいですけどね。」 綾「本当ですわ。 たまには静かにして下さりません?」 綾女は目の前にあるティーカップのお茶を一口飲んでから、そんな優の言葉に共感する。 ――チラリ 玲は優と綾女の顔を見た。 二人はいつも冷静沈着で、あまり表情を表に出さない。 ―…が。 玲(……本当は心から言ってないくせにねぇ。) 玲はそう思っていた、他の人も多分感じているだろう。 この6人は昔から仲が良い―…と言うか、付き合いがあった。 だから皆はお互いについて少し知っているつもりだ。 まぁ、知らない事もあるが……。 玲(ま、この1年間で何がが変わると良いわね。) 今日も、平和な空羽学園の生徒会こと―…"青空会"であった。    
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