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「きゃぁ、輝彦様ぁぁあぁ!」
ここは空羽学園(ソラバネガクエン)の校門前。
そこには男女入り交じった群れが出来ている。
空羽学園は、マンモス学校であり、またエリートのお金持ちが通う学校である。
どうやら先程の女の子の声は、校門前に止まっている黒いリムジンから出て来ている人に向けられているらしい――…。
「今日も、皆可愛いねvV」
この"格好良く軟派そうな男"は、宮本輝彦(ミヤモトテルヒコ)。
本編の主人公の一人である。
輝彦は、リムジンから出るなり投げキッスを皆に向かってする。
「今の見ました? 今、私に投げキッスしましたわ!」
「いいえ、今のは私にです!」
こんな会話は日常茶飯事だ。
そんな会話を聞いて、一人舞い上がる人物が――…。
言うまでもなく輝彦自身である。
輝「あぁ、俺はなんて罪深き男♂なん―――」
「輝彦、いっぺん死ねっ!」
輝彦の言った言葉は遮られ、頭に拳がとんできた。
輝彦が言葉を紡ごうとする前に、それは校門前にいる人達の声によってかき消される。
「あれは、渡様よ!!」
「渡様ぁぁぁ!!」
どうやら今来たのは、本編の六人いる主人公のうちの一人。
波田渡(ハタワタル)だ。
この男の子も、"格好いい"。
渡は面倒くさそうな顔を浮かべる。
渡「毎回毎回なんなんだよ、この校門前にある人だかりはよ。 歩きにきぃんだよ。」
輝「お前、それをレディーに言うのか!
―…と言うか、殴った事謝れや!」
渡「は? 目の前にボサッとしてるてめぇが、悪ぃんだろ?」
この二人は犬猿の仲だ。
何時も、いがみ合いばりである。
だが、女子にはこんな二人も好きなようで――…。
「朝から、二人の喧嘩がみられるなんて最高だわ!」
なんて言葉もちらほら聞こえる。
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