chapter1 ‐我ら青空会‐

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    そんな中二人が睨みあっていると――…。 キキィッ! という音がして、またリムジンが空羽学園前に止まった。 リムジンの中の人を確認するためか、校門前に群がっている人からは声は聞こえなくなった。 依然として、輝彦と渡は睨みあっていてそれには気づいていない。 ガチャッ、と扉が開いて誰かが出てきた。"可愛らしい優しそうな女の子"である。 それを見るなり――…。 「藍様だー!!」 と言う男の子の声が、次は響き渡った。 中には、女の子の声も混じっていた。 どうやら男女問わずに、人気があるらしい。 藍「皆、おはよう(ニコ)」 藍と呼ばれて、今挨拶をした子は、水原藍(ミズハララン)だ。 この人も、本編の主人公だ。 藍は渡と輝彦を見つけて、声をかけようとする。 が――…。 輝「なぁ、まぢで謝れよ?」 渡「あぁ? お前の頭の中に"謝る"って言葉あったのかよ。」 見ての通り、喧嘩をまだ繰り広げていた。 藍「…はぁ。」 それを見て溜め息をつく、藍。 呆れた表情も伺える…。 藍はそんな表情を浮かべながら、静かに二人に近寄っていく。 そして二人の間に割って入った。 藍「二人とも、やめなよ? 朝からそれだと、身が持たないよ?」 輝「藍、こいつがぁ!!」 渡「あぁ? てめぇ何言ってんだよ!」 渡が輝彦の襟首をグイッと掴む。 輝彦もグイッと渡の襟首を掴んだ。 更に状況が悪化しそうな雰囲気に、藍は焦る。 そんな時、また周りの声がより一層大きくなった。    
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