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「ふぅ…」
と、そんな剛と智華のやり取りを尻目に、対面側の椅子に腰掛けていた青年が煙草を吸いはじめる。
「はぁ、トラックに揺られ早数時間腹減ったなぁ…なぁ貴司?」
煙草の煙りが荷台をさ迷い所在を求める内に消えて行く。
「まぁ…確かに昌晃の言う通りだな、それにしても…」
荷台の入口には幌が掛かっておらず、貴司と呼ばれた青年は整備もされていない路面を見つめ、複雑な表情を浮かべる。
「何と言いますか、帯剣法施行以来結構荒廃しましたからね、とくに地方は」
「…淳」
貴司の考えを見通すかのように淳と呼ばれた青年は外の様子を伺う。
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