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玄関では少し苛立ちを見せながら俺を待つ
智哉と賢人の姿があった。
智哉「遅いわ!マッタリしとる時間何か無いって言うたやん!
はよ行くで!」
孝は靴を履きながら煙草に火を付けた。
(これで冗談とか抜かしたら…二人ともシメルか…。)
孝は玄関から出た…
「ハァ?何これ?」
目の前に広がったのはいつもの風景では無かった…。
崩れた家、瓦礫の山、そして人?
何で人が路上に…寝てる?
寝てる?
嫌…違う…。
血生臭い…。
死んでるのか…?
嫌な汗が一気に吹き出すのが解った。
ただ目の前の光景を見てたたずむ孝を
動かしたのは
人のうめき声だった
「うヴぅう…孝…助けて…痛いぃ…痛いよぉぉゥ…」
俺の名前を知ってる?
孝はハッとした!
(まさか!俺の大事な人がもう!)
「今助けるからな!!
もう少し辛抱してくれな!!!!」
声の主へと走りより起き上がらせようとした瞬間、賢人が全力で孝を止めた。
賢人「アカン!その人は…とにかく逃げるぞ!走れ!」
孝は賢人の言葉を受けて走ろうとした瞬間
孝は足首を掴まれ転倒しそうになる。
孝は足首を掴んで居る者に目をやった。
「志野………な、なんで……志野は俺が中学の時に確かに…
冗談だろ…悪い冗談は本当に辞めてくれって」
志野「孝…痛いの…死んじゃう位痛いの…助けてよ…孝…。
置いて行かないで…お願い…。」
「志野…死んじゃうって、お前は確かに…俺の目の前で死んだんだよ!!」
孝が混乱して居る中
志野の手を誰かが蹴飛ばした。
智哉だ…。
孝は怒りを覚えて、
智哉を怒鳴り付けた
「テメェ!志野に何した!いくらテメェでもただじゃ…」
孝の頬を痛みが走る
智哉に平手打ちをされていた。
智哉「志野は死んだんやろ!しっかりしろって!行くぞ走れ!」
(志野は確かにあんとき死んだ…
でもあれは志野だろ…)
その時確かに聞こえた…志野の声でハッキリと
「もう少しだったのに…」
孝は耳を疑った、
でも確かに聞こえたんだ…。
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