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3人は瓦礫が散らばる道をひたすら走り続けた。
走っている途中でも
孝の頭の中には
さっき見た志野の姿しか無かった。
(なんで!なんで!志野は確かに俺の目の前で…死んだはずなのに…なんで!なんで!志野の腕は暖かかったんだよ!生きてるんじゃ無いのか?
もし…志野が生きていたら…またあの時間が戻って来る…!)
気が付けば孝は足を止めていた。
それに気付き智哉と賢人も足を止めた。
賢人「ハァ…ハァ…ハァ…
おい!急ぐぞ!」
孝は2人に背を向けた。
「やっぱ駄目だ…
俺は…志野を…志野を…見捨てるなんて出来やしない!!」
智哉は流石にキレた!
智哉「アホか!!
お前何回言うたら解んねん!!
志野は死んだんやろ!
それはお前が一番知っとるんちゃうんかい!」
智哉の言葉が痛かった。
確かに志野は死んだ。
孝の目の前で…。
孝の手の中で…。
孝の変わりに死んだんだ…。
「志野の手…暖かかった…志野は生きてる!
あいつは死んで無かったんだよ!」
孝は来た道を全力疾走で戻って行く。
賢人「アホ!戻って来い!お前が連れて行かれたら…」
賢人の声はそこまでしか聞き取れ無かった
ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…!
流石に喉の奥が渇いてきた、あれからずっと走り続けている
やっとの思いで、
志野が居る場所迄戻って来た。
志野「孝…戻って来てくれた…の?」
弱々しいが確かに志野の声…
孝は安心感を覚えていた。
志野の下半身が瓦礫の下に埋まってしまっている…。
「だ、大丈夫か?
痛いよな…今出してやるからな!
俺は…お前を二回も死なせ無い!」
志野「孝…あ、ありがとう…」
微かに志野が笑顔を見せた。
孝は一心不乱に志野の上の瓦礫を退かして行く。
「もう少し!もう少しで!」
その時だ…。
孝を激しい偏頭痛が襲った。
「く、くそ…何でこんな時に!
邪魔するな!
引っ込め!引っ込めよぉぉ!!!」
志野「孝…?
どうしたの?
返事をして…!!!」
「生憎だがなアイツには寝てもらったぜ
こうでもしねぇ~とアイツ聞かねぇ~しな」
シノ「だ、誰……?
あなた?孝じゃ無い!!」
「お前にも同じ質問してやるよ
お前は誰だよ?」
孝では無い孝はシノの額に銃口を向けて鉛玉を撃ち込んだ。
志野「モヴ…すゴ…じダッタのニ!!!」
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