✨あり得ないと思うものほどあり得てしまう✨

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俺の幸せな学園生活の予想は平凡な挨拶を交わして当たり前の日常を過ごすことだった。 なのに… なのに…… 真琴は教室に引きずりこまれて対立している2つのグループの丁度真ん中に放り投げられた。 俺何でこんな事に巻き込まれてるんだろ? 「おい!お前。」 右側のグループが声をかけてきたのでまずはそちらを見る。 「このクラスのトップに相応(フサワ)しいのはも・ち・ろ・ん!この大仙寺 燈矢(ダイセンジ トウヤ)様だよなぁ!?」 「…は?」 真琴はその言葉の意味を瞬時に理解できず間抜けな声を出した。 「何言ってやがる!?」 今度は左側から声がしてそっちを見ると右側と対して変わらないイカツイ人たちがいた。 「白龍(ハクリュウ)様に決まってるだろ?」 「いや、話が全く…」 話を振られしどろもどろになりながら答えた。 「何だぁ?殺るのかぁ!?」 「上等だ!!」 なんだかヤバい雰囲気になってきたので真琴はそろそろと真ん中から逃げ出そうとしていた。 右側と左側の不良(っぽい)たちが取っ組み合いを始めようとした時だ。 ガラガラガラ―… また教室に人が入ってきた。 不良たちはその仔を見て足を止める。 そして俺自身も足を止めて少女を見つめる。 真琴の黒い髪と対照的に少女の髪の色は陽光を浴びて光る銀色。 細い眉毛に長い睫毛(マツゲ)。 そしてまるで深海を切り取ったかのような碧眼だった。 これが俺、一般人霧夕 真琴と少女、笹波 鎌(サザナミ レン)が初めて会った時。 男の俺が彼女を見上げて、女の彼女が俺を見下げるカタチで。 それはまるで俺と彼女の立場が全く正反対と示すように…
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