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「GUARDIANに入らないか?
お前の正義感があれば、きっとやっていけるぞ!」
レインはツアキから氷の神力の事を聴いた時点で、期待で胸を膨らませていた。
守護組織としても、放って置けぬ人材だ。
だがサヨクの心は複雑だった。
正義感があるとはいえ、今まで泥棒などを繰り返していた自分が、世界を守れるのかが気がかりで。
正直、氷の神力にも100%納得した訳でもない。
「まあ、即答しなくていい。明日答えを聞かせてくれ。今日は疲れただろうから、隊舎寮に泊まるといい。
確か、ツアキの隣の部屋空いてたよな?」
「はい、案内します!」
ツアキは明るく返答するとサヨクの手を取り、部屋から出た。
しかし、レインの感謝の言葉と泥棒をしていた自分の姿がぶつかり合い、サヨクの顔は浮かなかった。
「ねえ! 一緒にご飯食べない? お腹減ってるでしょ?」
「うん、でも俺お金が」
「いいから!」
そう言う、彼女は強引に、隊舎寮を通り過ぎて食堂に向かった。
「ん、どうしたの? 浮かない顔して」
ツアキは、サヨクの表情が暗いのを気にしていた。
「残念ながら泥棒は……正義の味方には成れないんだよ……」
ツアキは、サヨクの目を暖かい眼光で直視した。
「……罪は、償うことが出来るんだよ。それに生きる為に仕方なくやってたんでしょ?」
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