3001人が本棚に入れています
本棚に追加
「――きゃぁあぁぁあ!」
サヨクが捕まる寸前、屋敷の中から女性の叫び声が聞こえてきた。
警備員はサヨクを捕まえる事を忘れ、屋敷の方を刮目した。
間も無くダンっ!と勢いよくドアを開け、女性が屋敷から出てきた。
この家の娘だろうか。
「化け物よーっ! 皆逃げてー!」
化け物と聞いた瞬間、皆は叫びながら逃げ始めた。
サヨクは特に関心を持たずに、立ち尽くしている。
その女性も必死に逃げているが、ドレスに足を引っかけて倒れてしまった。
にも関わらず、警備員も女性の親である主催者でさえも逃げてしまった。
「どうしようもない親だなー。ところで……化け物って何だろ」
よく分かっていないが、女性の顔色の異常さに気付いたサヨクは駆け寄り、声を掛けた。
「あの、大丈夫ですか?」
女性は気を失っている。
相当なことがあったに違いない。
――――!!!!
その時、屋敷から人間とはかけ離れた容姿の、本物の化け物がドアを破壊して出てきた。
歯茎は剥き出しになり、牙と鋭い爪が生えていて涎を垂らしている。
「あ゙ぁ――……」
最初のコメントを投稿しよう!