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「何だ!? あれ……」
今まで色んな修羅場を乗り越えてきたサヨクでさえも、恐怖の念を抱いている。
サヨクは女性を担ぎ、恐怖で萎縮した足を無理やり動かして逃げた。
しかし、化け物は容姿からは想像出来ないくらい速いスピードで、サヨクの前に立ちはだかった。
「くそっ! 何なんだ!!」
サヨクはそう言い捨てて、腰を抜かし尻餅をついた。
化け物は爪をこちらを向け、段々近づいてくる。
「あ゛ァあぁ゛!」
化け物は腕を振り上げ、サヨクを襲う。
観念したサヨクは思わず目を瞑り、手を前にかざした。
その刹那――――。
運命はサヨクに、人外の代物を与えた。
長きに渡るストーリーの最初、これが総ての創まりとなる。
冷酷の桎梏、万物を縛る本物の神の力――
化け物の足に、青々と色付いた綺麗な〝氷〟が発生したのだ。
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