第一作

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少し考えると、ニッコリとしながら口を開いた。 「シンヤ君か……もし良かったら我が家に来ないかい?」 「…いいの?」 「あぁ、もちろんだとも!」 正宗は優しく頷いた。そしてシンヤを抱えたまま歩き始めた。 歩くこと20分、正宗は立ち止まった。目の前には大きなリムジンが停まっている。男が窓を2、3回軽くノックすると後部座席の扉が開く。 「ご主人様、お迎えに上がりました!」 「ご苦労セバスチャン、さぁ行こうか!」 リムジンに乗り込んだシンヤはただただ驚くばかり。 天井には光り輝く小型のシャンデリア、座席は向かい合う様に設置されており、間には高級そうなテーブルが置かれている。 「飲み物は如何かな?」 正宗は尋ねた。 「…水」 とだけシンヤは答える。 正宗はすぐさま机の下からグラスを取り出し、水を注いでシンヤに渡した。 グラスを受け取ると、一気に水を飲み干した。よほどお腹が空いているらしい。 正宗はその様子を笑顔で眺めていた。 「…何?」 「あ、いや、なんでもない!ただ………」 正宗は何かを言おうとしたが、シンヤの顔を見て口を紡いだ。 シンヤはそんな正宗を見ながら首を傾げる。
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