2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ご主人様、屋敷に到着致しました」
「もう着いたのか!早いな」
「…屋敷?」
「我が家の事だよ」
車を降りるとシンヤは唖然。
視線の先には3階建ての巨大な建物。中世のヨーロッパの様な作りで、玄関口だけでもちょっとした広場の様な広さである。
「ははは!驚いたかい?今日から君はここに住むんだよ?」
「…うん」
こうしてシンヤは西条 真哉となり、この家に住まう事になった。
やがて月日は流れ、真哉が16歳の誕生日を向かえる日の朝の事。
…コンコン
何者かが部屋の扉をノックする。
「…誰?」
「セバスチャンにございます!
旦那様がお呼びです」
「…今いく」
眠い目を擦りながらベットから起き上がった。シャワーを浴び、いつもの服に着替えて、父 正宗の書斎に向かった。
…コンコン
「セバスチャンか?」
「いえ…真哉です」
「そうか、入ってきなさい」
「失礼します」
ドアを開けると、正宗は部屋の奥にある机の前に座っていた。部屋はテニスコート程の広さで、両側の壁には数え切れない量の本がところせましと並べられている。実際真哉がこの部屋に入るのは初めてである。
最初のコメントを投稿しよう!