第一作

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「…んで、何の用?」 真哉はダルそうな顔で尋ねる。 「最近、随分と退屈そうだね?」 「当たり前だ!去年大学を卒業してからと言うものの、毎日暇で暇でしょうがない!!」 真哉は怒鳴る。 そう、彼はここイギリスで小学校から高校までのカリキュラムをわずか5年で終え、去年大学院を卒業したばかり。 つまり超天才児である。 真哉の言葉を聞いて正宗はニヤリと笑った。 「ならば今から日本に引っ越そう!」 「………は?」 イマイチ正宗の言っている事が飲み込めない真哉。 「私は昔日本に住んでたんでな! いいぞ、日本は!四季折々で、他の国とは違って独特の文化を持っている!実に素晴らしい!!」 「…はぁ」 言い終えたかと思うと真哉に人差し指を向けて、再び口を開いた。 「そこでだ!明後日からお前を日本の高校に通わせる事にした!精々楽しんでくれたまえ! ワハハハハハハハハ!!」 …パチン! 正宗が指を鳴らすと、セバスチャンが現れた………それも天井から。 「お呼びでしょうか?旦那様」 「今すぐ自家用機と荷物を用意してくれ!日本に飛ぶぞ!」 「かしこまりました」 真哉は正宗の唐突な発言にただ唖然とするばかり。それから一時間と経たない内に準備は整った。
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