魔法の街セントラル・リーグ

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琴美はゼエゼエと荒い息づかいで家へ帰ってきた。 ちんまりとした普通の家だ… ある一点を除いては… 玄関の前に2人のスローブを着た大男が立っている。 あきらかに,可笑しい。 2人組の男達は, 琴美の方へチラリと目をやり, すぐに目線を正面へ戻した。 庭の色とりどりの植物や花たちは 母親の手入れが行き届いていて とても生き生きとしている。 琴美は気にせず, ワゴンを庭のコンクリートの部分に置き, 積み上げた教科書を両手いっぱいに無理やり持って家へ入った。 台所では母親の【マクラーレン・コリス】がシチューを作っていた。 「あら,お帰りなさい琴ちゃん。荷物重くって大変だったでしょう? トムちゃ~ん!!」 ヴォン! 次の瞬間,琴美の後ろに長身のすらっとした男の子が現れた。お世話抜きで男前だ。 「やっと帰って来たな。荷物持つからかして。」 ニコッと琴美に笑いかけたその美少年は琴美の兄【トムス】だ。 トムスは琴美の教科書を軽々と持ち,また瞬時に消えてしまった。 そしてすぐに再び現れた。 「琴美の机に置いておいたからな。 言ってくれたらオレもついて行ったのに。 琴美は魔法が使えないんだから,無理するなよ。な?」 「…ありがとう。でも,私出来るだけ自分で何とかしたいの。」 トムスはふっと笑い,琴美の頭を優しく撫でた。 「…偉いな。」 トムスはとても琴美を大切にしているようだ。 「さぁ,ご飯が出来たわ。食べましょ。 太郎ちゃ~ん!」 琴美の弟,【太郎】も瞬時に現れた。 まだかなり小さい子供だ。 「…わ~い! おいそうでしゅ~」 無邪気に笑う太郎をコリスが持ち上げ,イスに座らせてあげた。 「さぁ,揃ったわね。食べましょうか」 4人が席に着き,コリスは子供たちににっこり微笑んだ。 とても幸せな時間が流れていた。
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