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今日は魔法専門学校への登校日だ。
いつも通り,琴美は学校へ出掛けた。
「琴美ぃ~!」
だきっ
黒髪ロングヘヤーの女の子が琴美を正面から抱きついてきた。
「……ふご。」
「今日から新学期ね!琴美っ」
「……んに。」
彼女の名前は花梨。
明るく,元気な性格で,面倒身の良い彼女の周りには
いつも人が集まった。
琴美の大切なお友達だ。
彼女の興奮は冷めやまず,
琴美をさらに力強く抱き締めてきた。
「花梨…
ちょっと苦しい。」
あら,ごめんなさい。と花梨は舌を出しておちゃらけた。
「お~うっ琴美!
休みはどうだった?」
花梨の後ろあたりから,
同じ顔が出て来た。
2人は双子なのだ。
違うのは,髪型がショートだということ。
「雅也…うん。
楽しかったよ。
家族でローバーランドに行ったの!」
琴美は幸せそうだ。
それを見て,双子もつられて笑った。
「…でも,そんな時も,
あいつら居たんだよな…。」
雅也の顔が曇った。
「ちょっと雅也ぁ~。そんなこと言わないっ」
花梨が雅也のおでこをペチッと叩いた。
「大丈夫だよ…。
もう十年も魔法警察の人達の
監視の下にいるんだよ。
家族も私も,慣れたもんだよ。」
そう言って琴美は雅也に笑いかけた。
(う゛…可愛い~ぜっ)
雅也は顔が熱くなるのを感じ,うつむいた。
「…ね…また,三人で抜け出してお昼食べに行きましょうね!!」
三人は時々,琴美を監視する魔法警察の目をかいくぐって,ひっそりとお昼を食べるのがすっかりお決まりになっていた。
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