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パドリック校長は小さく光る黒い眼差しを真ん中に立っている小さな少女ただ一人を見据えていた。
「…きみが,マクラーレン・パドの実の娘である琴美ちゃんかな?」
「はい。そうですけど…」
なんとも優しい問いかけだった。静かに響く低音で周りの人を落ち着かせる効果を持っている。
「そして,カルカッタ夫婦のところの双子兄弟花梨ちゃんに雅也くん!!いや~君たちの人気は常々私の方にも噂をよく聞くよ。みんなが言う通り,美男美女だぁね。」
双子はお互いに顔を見合わせ,困ったなぁ~といかにもその通りと言いたげなそぶりでふんぞり返った。
「って,そんな事じゃなくて!!」
雅也は目の前の空気を切るように手を振った。
「では…何の事だね?」
「ちょっと~!何だじゃないでしょ?怪盗バンパイアからの予告状が来たのよ!!それで呼び出したんでしょ用件を早く言いなさいよ!」
短気な性格の花梨は早くもイライラモードだ。
「あぁ,そうだったね。話すとも。まぁ,少し落ち着きたまえ。」
パドリックは至って冷静に返した。
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