#1.-1【入団試験!】

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「ん………」  目が覚め、少女はベッドからムクリと起き上がると、朝一番、大きく伸びをした。 「ふぅわあぁぁ………っ」 天窓から差し込む陽光を見つめ、今日もいい天気だなあと思っ………   グギリ 「~~~~~~っ!」  何か鈍い音が響いたかと思うと突然、身をくねくねと曲げ、悶え苦しみだした。  腕を伸ばした時、指が棚に直撃したのだ。  すると間髪入れずに、ズズズ……という音が後頭部から聞こえてきた。  少女は涙目のまま振り返るとそこには迫り来る、日記、本、めざまし時計、貯金箱――――  それはただ、一心に少女に狙いを定め……… 「………い、いぃぃぃいいやあぁぁぁぁあ!?」   ドンガラガッシャアン 「きゅう~………」  第二撃は後頭部にクリーンヒット!そのまま上半身だけドテンとベッドから滑り落ちた。 「朝から何をしてるんだよ………」  頭上から声が聞こえ、涙目のまま顔を上げる。するとそこには呆れながら見下ろす少年の姿があった。 「あ、ロイドおはよ」 「おはよ。………ジェネ、それより早く起きるんだ」 「ほぇ?なんで?」  ロイドは黒髪の奥に映える銀の瞳を曇らし、ため息を吐く。 「………今日が何の日か、分かってるか?」 「あったり前じゃんっ。自警団入団審査会のある日でしょ?たしか10時から始まるんだよね。ちゃ~んと覚えてますってばっ!!」  と、ジェネがドンと胸を張って答える。それなのにロイドは心配そうな顔を崩さない。  ジェネが訝しがっていると、ロイドがもう一度問いだした。 「船の出航時刻は?」 「?8時半」 「今は?」  ジェネはベッドからいっしょに落ちためざまし時計を引っ掴み、針の示す時刻をゆっくりと読み上げた。 「え~っと、………8時……19分?」 「じゃあ8時半-8時19分は?」 「んー、830-819だから………って、もうこんな時間!?あと6分は眠れるじゃん!」 「寝るな!………ええい、とにかく早く用意してくれ!先に外で待ってるから!」 「わ、わかったっ!あたし、ガンバル!」 「………何をだ?」  外にて呟く、ロイドであった。
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