第十五章 愛

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「ヨウコちゃん・・・。」 久し振りに呼ぶその名前がなんだかぎこちない。 それでも僕はヨウコの眼を見つめたまま言った。 「ずっと待ってたんだ、君を。」 ヨウコは何も言わなかった。 そのまま僕の横を通り過ぎるとダイスケのお墓の前にしゃがんで手を合わせた。 僕は、手を合わせて目を瞑っているヨウコの横顔を眺めた。 その間、時間だけが静かにゆっくりと流れているように感じた。
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