Part②ダンディー・ダンディー(^w^)

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小さな町の、とあるスナックでのお話。 そのお店には、ほぼ毎日のように、開店と同時に来る客がいる。 その彼は、50代半ばのわりとダンディーな紳士ではあるのだが、少々変わっていて… いつも1人静かにブランデーを飲み、1時間もすると席を立ち店を後にする。 そんな見た目は格好良いオジサンだが、店のおねぇさん達の間では、ある噂が… 私が呑みに行ったその日も… 【ねぇねぇ、彼の頭ってヅラっぽいと思わない?】 彼とは少し離れて座っていた私に、1人のおねぇさんが聞いてくる。 その時彼は、もう帰る所らしく丁度、私の後ろを通り過ぎて行くところだったので、チラリと横目で見てみると… 『プッ…♪』 後頭部の襟足付近が少し、右にズレていた。 私は込み上げてくるものを抑えながら… 『後ろ髪…ちょっと変だね。』 【ププッ♪ マジぃ…くくくっ♪】 彼女も笑いをこらえながら、彼を見送りに店を出て行ったのだが… その後が笑える♪ 彼女が店の外に出て行くと、既にタクシーがドアを開けて待っていて… ママさんがお辞儀をしながら 【有難うございましたーっ】 と、言うと… 彼も軽く左手を挙げて車に乗り込もうとした、その瞬間… 彼はかなり酔っていたのか足を躓かせ、後ろの席へ… 《バッターンッ!!》 その拍子に、頭の毛は大きく右にズレちゃったんだって♪ 『プップププッ!!』 たまらず笑いをこらえる女性達。 彼はと言えば、そのまま寝ちゃったみたいで気付いていない。 それを運転席から見ていた、タクシーの運ちゃんが後ろを指さし… 【こ、このまま行っていいっすかね?】 女性達は、ついに、堪えきれず… 『ア~ハッハッハ♪』 その場に爆笑がおこったが、彼には気付かれずに済んだらしい。 良かったねっ♪ 彼女は店の中に戻ると… 【イッヒッヒ♪やっぱり、ヅラだったわっ!】 と、私に一部始終を伝え 『ギャハハハッ♪♪』 2人で大笑い。 その後も、彼とは何度か店で会ったが、顔を拝見すると、つい笑ってしまいそうなので… 私はなるべく、目を合わせないようにしている。
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