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僕が初めて彼女に出会ったのは病院の待合室だった。
「出会った」とはいっても、僕が初めて意識したのがその病院の待合室だったというだけで、彼女が僕を意識したのはもっと後だったかもしれないし、あるいは前かもしれなかった。
とにかく僕は待合室で初めて意識した彼女の姿に正直目を奪われた。
多分絶世の美少女って訳じゃない。
顔立ちは確かに整っているけど、なんというか雰囲気があった。
彼女は肩より少し長いくらいの黒髪を無造作にくくっていた。
チョコレート色したフレームの眼鏡、緑色のインナーに白い色を基調としたワンピースに身を包んでいる。
彼女は車椅子に身を預けながらその場に佇んでいた。
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