0人が本棚に入れています
本棚に追加
いつものように俺は、店に行き、いつものように客を言葉で酔わし、酒を飲ませ、客に高い酒のボトルを何本も入れさせ…
そんな、いつもを過ごして明け方…
店を出て、いつもの路地裏を歩いて駐車場へ…
もう少しで、車に着く時後ろから人が、ぶつかってきた…
「俺の女…返せ…お前みたいな奴…死ね…」
って言葉が耳元で聞こえた時に背中に激痛が…
男は、俺の背中にナイフを刺して走り去った…
「ハハハ…」
ヤッパ、俺の最後は…こんなもんか…
金のことしか考えず、やってきた結末か…
笑うしかないな…
このまま、ここでくたばるんだな…
気を失いかけた時、一人の女が助けを求めてくれてることに、気づいた…
女は、自分の服が血で汚れるのもかまわず、俺のそばに居てくれた…
俺は、そのまま気を失った…
次に気づいた時には、病院のベッドの上だった。
ふと、隣を見ると俺を助けてくれた女が眠ってる…
「気がつきましたか?」
看護師が、声をかけてきて、こう続けた…
「彼女さんは、血液を輸血して今は、身体を休めてるだけですから、心配しなくって大丈夫ですよ。」
と、笑顔で答えてきた。
何でも、病院の輸血用の血が足らなくて、困っていたところ、彼女が「私の血が合うなら使ってください…」
っと言ってくれたらしい…
そんな話しをしてると、彼女が目を覚まして…
「大丈夫ですか?」
と、 俺に聞いてきた。
俺は、慌てて「あっ…だ…大丈夫です。すみません…」そんな言葉しか出なかった…
でも、そんな俺の言葉を聞いて、安心したように笑顔で「よかった…」って、もう一度眠りに着いていった…
その時の笑顔は、俺が今まで見たことのない笑顔…
まったく曇りのない笑顔だった…
その時、俺は思った…
今まで「所詮、女なんて金を運んでくるだけの物」って、思って生きてきた自分を恥じた…
最初のコメントを投稿しよう!