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嘘だと言って、
もう一度抱きしめて
『アレン…俺は信じてるさ…』
『…え?』
『アレンが14番目の生まれ変わりだろうが何だろうが、俺は信じてる』
『ラビ…でも僕は、いつまで自我を保っていられるか判らないんですよ…!?』
『アレン』
『…な、んですか』
『アレンはアレンなんさ。何の変わりもない。』
『ラビ…っ
ラビは優しいですね………っ僕、本当は怖い。自分でも分かるんです、徐々にノアに侵蝕されているのが…っ』
『…大丈夫さ、アレン。俺がついてる。』
そう言って微笑んで、そっと僕を抱き締めてくれたラビ。ラビの腕の中はとても安心する…すごく心地良い
ああ…やっぱり僕は貴方のことが――、
"絶望"
僕が今見ている光景はきっと絶望という言葉が相応しいに違いない。
僕の周りには教団のみんなの…変わり果てた姿。否、死体が
むせかえるような鉄臭い血の臭いに嘔吐した
『う゛ぁ…っ…げほっ』
何で…?
僕は今まで一体何をしていたんだ…?
仲間がこんなにも傷ついているのに。
自分の手のひらを見ると血がべっとりとこびり付いていて、同じ様に服にも大量の血が付着していた。
これは…僕の血じゃない全て返り血…。
自分の血でなければ
この血は…
っ!!
頭が、痛い!痛い!痛い!痛い!
思い出すことを拒むかのように頭の芯から警報が鳴り響く
頭に激しい痛みと共にフラッシュバックされる情景。記憶。
『いやぁあああ!アレン君っもうやめてーっ!!!』
リナリーの泣き叫ぶ声
『モヤシ!目ぇ覚ましやがれ…っ!!……ぐっ…かはっ』
――神田…!?
『…ア…レン……ごめ……守って…や、れな…かっ…た………っ…アレン…愛…して…る…さ……』
愛しい人の最後の言葉
僕、が……?
僕がみんなを……?
認めたくない現実を唐突に押し付けられ、後ずさった、
――ドンッ!
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