始まり

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彼の名前は宮本孝。34才。普通の高校教師である。実家はタバコ屋。孝がそのタバコ屋をついだものの、教師をしているためにお得意様だけにカートン売りしているという本当に普通の人間だ。しかし彼の中には10年も前からある計画がねられていた。 それは本当の意味での完全犯罪。ばれないだけではなく、その犯罪は誰にも迷惑がかからず、かつれっきとした犯罪。そして将来的にはもはや犯罪ですらなくなる。つまり、法律ごと変えてしまおうという計画である。 そんな犯罪とは未成年へのタバコの販売である。 読んでいる方はそんな小さな事かと考えかもしれないが、よく考えてほしい。もし未成年へのタバコの販売(まぁ13才からとする)が法律で認められた場合、タバコ税による国の収入は格段に大きくなるだろう。金の流通も少しは回復するだろう。そして平均寿命が下がるだろう。しかしこれは本人の意思で寿命が短くなるのだからしょうがない。また、今問題になっている高齢化による年金制度の問題も少しだが良い方向に向かっていくだろう。 そんなことを考えた孝は、どうすれば法律が変わるのかを考えた。さすがに国会議員になるのは無理だろう。 そしてそれが自分の今の立場で可能にできる職業を見つけたのだ。 それが高校教師である。
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