第1章―連続殺人事件―

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そんな話をしている内に駅に到着した。駅前は、平日の9時過ぎという事もあり、多少落ち着いていた。 「…あ、いた!!」 奈津美が声をあげたので、駅前の駐車スペースに車を停めると、ひとりの女性が車に近付いて来て、助手席側の外からペコリと頭を下げる。 すると、奈津美は車の窓を開けた。 「お待たせ、瑠奈。」 奈津美は女性に声を掛けた。 「悠紀さん、おはようございます。」 「おはよ、瑠奈ちゃん。」 綺麗に染まった長い金髪、そして妙に大人びている彼女は、高橋 瑠奈(たかはし るな)。奈津美の高校時代の同級生だ。 「もぉ、また悠紀さんに頼っちゃってぇ…」 「悠紀が"自分から"送るって言ってくれたの!!」 「…ん? …あぁ、そういう事にしておく。」 そんな他愛ない言葉を交わしながら、奈津美は車を降りた。 「悠紀さん、このまま帰っちゃうんですか?」 「いや、ちょっと調べ物をしに行こうかなと… ほら、"あれ"の事だよ。この辺の人が口にしたがらないっていう…」 「………え…?」 その事を聞いて、瑠奈ちゃんの表情が強張った。
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