第1章―連続殺人事件―

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「…ちょっと、奈津美… …まさか悠紀さんに話したの…?」 「…う、うん。 でも、大丈夫だよ。小声で話してたし…」 …瑠奈ちゃんのこの反応… 本当に"あれ"は、ここでは相当な存在なんだと感じた。 「…悠紀さん、興味本意であまり深入りしない方がいいですよ…」 「…あ、あぁ。 ありがとう、気をつけるよ。」 瑠奈ちゃんが厳しい顔で俺にそう告げると、瞬時に表情が変化した。 「…なんてね♪ どうせ資料とか何もないから、調べてもわからないと思いますよ…?」 そう言って、奈津美と顔を見合わせて笑っていた。 「あはは、そうよね。 …じゃあ悠紀、行ってくるね。」 「あぁ。行ってらっしゃい。」 ふたりは楽しそうにはしゃぎながら、駅の入口に向かって行った。 ふたりを見送ってから、再び車を走らせる。暫くすると、先程の瑠奈ちゃんの顔が頭に浮かんだ。 「…この地域に言い伝えられている『人喰い』… どんな存在かは見当も付かないけど…そんなにヤバイ存在なのか…?」 少し嫌な予感がしたが、逆にそこまで恐れられている"奴"に興味も沸いていた。 「調べる価値は…充分ある…」 俺はそのまま、目的地まで車を走らせた。
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