第1章―連続殺人事件―

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…でも…どうしてなんだ…? 殺した相手を切断して、一部を回収する。 自己顕示欲の強い奴ならやりかねない。 でも… どうしてわざわざそんなに嵩張る箇所を…?極端な話、誇示したいだけなら指先だけとかでもいいんじゃ… それに、犯人が持ち去ったとみられる被害者の消失部位が、5人それぞれ違う場所だってのも気になる。 「………ふぅ………」 俺は大きく一度深呼吸した。こういう事件の記事をじっくりと読んでいると、気持ち的にも疲れが出てきてしまう。 「よし、ちょっと気分転換!!」 俺はパソコンの電源を落とし、喫煙所のある外へ向かおうとした時だった。 「あれ、安藤…?何してんだ?」 背後から声を掛けられたので振り向くと、そこには長髪で眼鏡をかけた男性が立っていた。 「…ん?あぁ、水谷か。」 彼は水谷 佳彦(みずたに よしひこ)。俺と同じ学部の同期で、仲のいい友人のひとり。 「ちょっとした調べ物をしてただけだよ。」 「大学のパソコンで調べ物なんて珍しいな♪」 「そか? それよりも暇だろ?一服だけ付き合ってよ。」 俺は水谷を連れて喫煙所を目指した。
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