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俺はEnterを押した。
ボタンを押すと、背景にうっすらとしか浮かんでいなかった髑髏の顔が鮮明になり、こちらを嘲笑うかのように口を小刻みにパクパク動かしている。
『…ギャッギャギャギャギャ…!!』
不気味な笑い声が聞こえたかと思うと、今度は髑髏の右目の部分で、あるはずもない瞳が俺を睨んだ。
「………!!?」
今度は、画面の上の方から赤い血のようなモノが流れてきて、あっという間に画面を真っ赤に染めた。
「…な?この時点で既に規制をかけなきゃヤバそうだろ?」
「…あ、あぁ。」
水谷は単純に俺の反応を楽しんでいるようだ。
確かに今までの"演出"で、俺の心拍数はいくらか上昇していた。
画面には、赤い背景に白い字でいくつかのメニューが記されている。
「…"検索"…だな。」
迷わずに検索を選択する。そして、検索内容の項目には…
…『人喰い』…
そう入力すると、更に画面が切り替わる。
再び真っ暗な背景になり、赤い字が羅列される。
「…これは…?」
「こいつが唯一、形として残る『人喰い』に関する伝記みたいなもんらしいぜ?」
俺はゆっくりとそれに目を通した。
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