第1章―連続殺人事件―

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「今起こっている連続殺人事件も、こいつのせいだって言うのか…?」 いまひとつ信じられない部分もある。でも… 「状況から見ても、これと似てないか? …"身体の一部のみを喰らい、自分の存在を象徴する"… 被害者は全て身体の一部を…」 確かに水谷の言う通り、この連続殺人は『人喰い』の伝記を思わせる。 被害者は身体の一部を失った状態で発見されているし、これほどの事件なのに目撃者もいない。 可能性としては、ゼロではないだろう。 「…ただの…殺人事件じゃないのか…」 ♪~♪Black Cherry 濡れて 堕ちて 私の中に~♪ その時、携帯が鳴った。 携帯を取り出し、ディスプレイを見ると… 「…瑠奈ちゃん…? …はい、もしもし…?」 『あ、悠紀さんですか!!? 大変なんです!!』 瑠奈ちゃんは、電話の向こうで今にも泣き出しそうな声をあげていた。 「落ち着いて、瑠奈ちゃん。 どうしたんだよ、一体?」 『…ごめんなさい… …私が一緒にいたのに… …奈津美が… …私どうすればいいのか…わからない…』 ついに瑠奈ちゃんは泣き崩れてしまった。 その時はまだ、これから始まる物語を知る由も無かった…
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