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「今起こっている連続殺人事件も、こいつのせいだって言うのか…?」
いまひとつ信じられない部分もある。でも…
「状況から見ても、これと似てないか?
…"身体の一部のみを喰らい、自分の存在を象徴する"…
被害者は全て身体の一部を…」
確かに水谷の言う通り、この連続殺人は『人喰い』の伝記を思わせる。
被害者は身体の一部を失った状態で発見されているし、これほどの事件なのに目撃者もいない。
可能性としては、ゼロではないだろう。
「…ただの…殺人事件じゃないのか…」
♪~♪Black Cherry
濡れて 堕ちて 私の中に~♪
その時、携帯が鳴った。
携帯を取り出し、ディスプレイを見ると…
「…瑠奈ちゃん…?
…はい、もしもし…?」
『あ、悠紀さんですか!!?
大変なんです!!』
瑠奈ちゃんは、電話の向こうで今にも泣き出しそうな声をあげていた。
「落ち着いて、瑠奈ちゃん。
どうしたんだよ、一体?」
『…ごめんなさい…
…私が一緒にいたのに…
…奈津美が…
…私どうすればいいのか…わからない…』
ついに瑠奈ちゃんは泣き崩れてしまった。
その時はまだ、これから始まる物語を知る由も無かった…
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