第1章―連続殺人事件―

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「…ちょっと…大丈夫ですか…?」 彼は、電柱の影でしゃがみ込んでいる人影を見つけて声を掛けた。 普通なら、こんな人の影すら無い夜道で何かを見かけたら、恐怖感で早足になってしまっているだろう。しかし、彼は違っていた。 「…お姉さん…! …俺の声が聞こえてますか…!?」 彼は先程よりも大きな声で呼び掛け、うずくまっている女性らしい人物の肩に触れた。 すると、その相手も彼の手にそっと自らの手を添えた。 「…ありがとうございます…私は平気です…」 女性らしき人物は、か細い声でそう答える。 「…でも…」 更に彼女は続けた。 「…こんな私にそんなに優しく手を添えてくれるんですね…」 「…え、あ…」 別に悪い事をしているわけではないが、彼女の言葉に彼は少し動揺して手をどかそうとした。 …が、無理だった。 彼女の腕が、有り得ない力で彼の腕を掴んでいた。 「…その優しい気持ちのこもったあなたの手… …私にちょうだい…!!」 「…ちょっ…!!? …あんた何を… …う…うわあぁぁぁぁ…!!」 凄まじい絶叫と鮮血が、辺りを包み込んだ…
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