第3章―黒き存在―

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「うわあぁぁ!!」 さっきまで隣を走っていた水谷の姿が突如消え、背後から絶叫する声がした。 俺は足を止め、後ろを振り返った。 「…あ!!?…水谷!!」 水谷は地面に俯せに倒れていた。 俺はすぐ彼に駆け寄り、肩を抱き抱えた。 「…水谷!! …おい、水谷!!」 「…う… …つぅ…痛てて…」 額を押さえながら水谷は立ち上がった。 「くそっ!!いきなり足首を捕まれて転倒させられちまった… …はっ!!?」 ふたりは咄嗟に鋭い剣幕で周囲を見渡した。 「………いなくなってる………?」 さっきまで俺達を追って来ていた奴の姿がなくなっていた。 いや、正確に言うと、俺はそいつの姿を確認してはいないのだけど… 緊張の糸が少し緩んだ。 「…ふぅ… …ったく、何だったんだよ、さっきの奴は…?」 「…なぁ、水谷は追って来た奴を見たんだよな? どんな奴だったんだ?」 「…あぁ、そうだな… わかりやすく簡単に説明すると…」 水谷はスッと正面を指差した。 「…あいつかな。」 水谷の示した場所には、太い木の背後から半身をあらわにした黒い物体が…浮遊していた!!?
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