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「うわあぁぁ!!」
さっきまで隣を走っていた水谷の姿が突如消え、背後から絶叫する声がした。
俺は足を止め、後ろを振り返った。
「…あ!!?…水谷!!」
水谷は地面に俯せに倒れていた。
俺はすぐ彼に駆け寄り、肩を抱き抱えた。
「…水谷!!
…おい、水谷!!」
「…う…
…つぅ…痛てて…」
額を押さえながら水谷は立ち上がった。
「くそっ!!いきなり足首を捕まれて転倒させられちまった…
…はっ!!?」
ふたりは咄嗟に鋭い剣幕で周囲を見渡した。
「………いなくなってる………?」
さっきまで俺達を追って来ていた奴の姿がなくなっていた。
いや、正確に言うと、俺はそいつの姿を確認してはいないのだけど…
緊張の糸が少し緩んだ。
「…ふぅ…
…ったく、何だったんだよ、さっきの奴は…?」
「…なぁ、水谷は追って来た奴を見たんだよな?
どんな奴だったんだ?」
「…あぁ、そうだな…
わかりやすく簡単に説明すると…」
水谷はスッと正面を指差した。
「…あいつかな。」
水谷の示した場所には、太い木の背後から半身をあらわにした黒い物体が…浮遊していた!!?
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