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「…安藤!!」
急な呼び掛けに、俺の意識がはっきりとなった。
どういうわけか、俺は腰を落としたまま意識を飛ばしていたらしい。
「…大丈夫か…?」
「…え?…あ、あぁ。
そっちは…?」
「…ははは。
こっちも何ともないらしいな…」
…それにしても…
どういう事だ?確かあの時、俺達はあの"黒い影"に睨まれたまま身動きが取れなくなって…
…そして…
「どうやら、ふたりして意識を無くしていたらしいぜ?
時間にしたら…ものの5分くらいらしいな。」
水谷が携帯の時計を見ながら言った。
「…意識を…無くしてた…!!?
じゃあ、あの黒い奴はどこに行ったんだよ!!?」
「そんな事俺がわかるはずないだろ?
…ただ、ふたりとも助かったってのは確からしいけどな。」
「…助かった…?」
多少落ち着きはしたが、今の俺の頭の中は、現状把握するのが困難だった。
…一体、さっき俺達が見たモノはなんだったのか?
それに、社で見付けた石の土台に彫られていた奇妙な円陣…そして、羅列されていた象形文字のような物…
「安藤、とにかくここを離れよう。ちょっとヤバそうだしな…」
ふたりはその場を足早に去る事にした…
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