第3章―黒き存在―

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「…安藤!!」 急な呼び掛けに、俺の意識がはっきりとなった。 どういうわけか、俺は腰を落としたまま意識を飛ばしていたらしい。 「…大丈夫か…?」 「…え?…あ、あぁ。 そっちは…?」 「…ははは。 こっちも何ともないらしいな…」 …それにしても… どういう事だ?確かあの時、俺達はあの"黒い影"に睨まれたまま身動きが取れなくなって… …そして… 「どうやら、ふたりして意識を無くしていたらしいぜ? 時間にしたら…ものの5分くらいらしいな。」 水谷が携帯の時計を見ながら言った。 「…意識を…無くしてた…!!? じゃあ、あの黒い奴はどこに行ったんだよ!!?」 「そんな事俺がわかるはずないだろ? …ただ、ふたりとも助かったってのは確からしいけどな。」 「…助かった…?」 多少落ち着きはしたが、今の俺の頭の中は、現状把握するのが困難だった。 …一体、さっき俺達が見たモノはなんだったのか? それに、社で見付けた石の土台に彫られていた奇妙な円陣…そして、羅列されていた象形文字のような物… 「安藤、とにかくここを離れよう。ちょっとヤバそうだしな…」 ふたりはその場を足早に去る事にした…
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