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…ピーポーピーポー…
11月の寒い日の朝。空が明るくなってから、もう何度もパトカーや救急車の赤色灯やサイレンが鳴っている。
テレビのニュースでも、この地域の事件が取り上げられていた。
『…連日お伝えしている事件と関連するような事件がまた発生してしまいました…
今朝未明、都内に住む17歳の男子高校生が遺体で発見されました。
この男子生徒は、右腕の肘から下が切断されており、警察では、この荒々しい手口がこの地域で先月から4件も立て続けに起こっている殺人事件とも関連があるとして…』
テレビでは、他のどのチャンネルも同じニュースをやっていた。
「…うちらの住んでる街でこんな事が起こってるなんて…嘘みたいだな…」
テレビを眺めながら、俺はモーニング珈琲を口にした。
俺の名前は、安藤 悠紀(あんどう ゆうき)、21歳。都内から少し外れたこの街に住む大学3年生だ。
「…恐いわね…私達大丈夫かしら…?」
奥の台所から出てきた女性が、スクランブルエッグとトーストの乗っかった皿を持ってテーブルに着いた。
滝本 奈津美(たきもと なつみ)。同じ大学に通う1つ年下の恋人で、結構頻繁にこうやって朝食を用意しに来てくれる。
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