第4章―協力者―

2/17
前へ
/270ページ
次へ
………ガチャ……… 部屋の鍵を開け、ふたりは力無く室内に入った。 「…はぁ~…」 まず、ふたりとも大きな溜め息をついた。 ここに戻るまで、ずっと周囲の警戒を怠らずに帰ってきたため、精神的にも滅入っていた。 外は少し、日が傾き始めている。 「…何とか、無事に帰って来れたな。」 「…そだな。あん時はどうなるかと思ったけど。」 ソファーに座り、ふたりは安堵の表情を浮かべた。 「…水谷、これから…どうすればいいのかな…?」 「…ん~… とりあえず、もう一度『人喰い』の事と…あと、ムカミの社について調べ直す必要がありそうだな。 あそこには何かありそうだし…」 「やっぱそうだよな… …よし、じゃあ早速パソコン立ち上げとくよ。」 「おぅ、よろしく。」 俺は、デスクのパソコンに向かい、早々と起動させた。水谷は携帯を取り出し、何かを確認していた。 URLの履歴から、あのサイトにアクセスする。すると、あの不気味な画面が再びモニターを埋め尽くした。 「水谷、準備できた…けど… …水谷…?」 水谷は携帯を握りしめたまま硬直していたが、俺の呼び掛けに無言で携帯を差し出してきた。
/270ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1485人が本棚に入れています
本棚に追加