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「…まさか、さっき撮った写メに何か写ってたとか言うんじゃ…
………!!?」
水谷から受け取った携帯の画面を見て、驚愕した。
そこには、ムカミの社へと誘う鳥居が写されていたのだが…
「…これって…」
「…鳥居をくぐる前に…何気なく、撮ってみたやつ…なんだけど…」
雑草の生い茂った場所に寂しく佇む古ぼけた鳥居。それをくぐろうとしている俺。そして…
「………"奴"…か…?」
鳥居の後ろから、真っ黒い影のような物が写り込んでいた。その中でひとつ、剥き出しの瞳だけがくっきりと鮮明に写っていた。
「…祠に近付く前から、すでに目を付けられていた…って事か…?」
「安藤、やっぱヤバイって。
これ以上深入りしたら俺達も…」
「…多分、もう遅いと思うけど?」
「…どういう事だよ…?」
「もし…あれが本当に『人喰い』なら…遭遇した時点でもう…
だって、逃れられても、10日後にまた襲われるんだろ?
それなら…やられる前にやってやるさ…!!」
しばしの沈黙が流れ、水谷が立ち上がった。
「…ま、手伝わせろって言ったのは俺だしな…
最後まで…付き合うか!!」
ふたりは力強く笑みを交わした。
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