第4章―協力者―

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「…あ、悠紀さん!!」 病室に入って、まず声を掛けてきたのは、奈津美ではなかった。 「あれ、もう大丈夫なの?」 「はい♪奈津美と比べたら私なんかかすり傷みたいなもんですから☆」 無邪気な笑顔で迎えてくれたのは、瑠奈ちゃんだった。 「…悠紀…」 「なぁにそんな顔してんだよ。夕方に顔出すって言ったろ?」 「…うん、そうだったね…」 心なしか、奈津美に元気がないような気がする。すると、瑠奈ちゃんがそれを察したかのように話し始めた。 「もぉ、奈津美ったら私が来てるのにずっとこんな感じなんです。 悠紀さんが奈津美を放っぽってどっかいっちゃうからですよ?」 「…え?俺のせいか?」 「はいo(^-^)o」 そんな微笑ましいやり取りを見ていて、ようやく奈津美が小さく笑った。 「…あ、やっと笑った♪」 瑠奈ちゃんに指摘され、奈津美は声を出して笑った。 奈津美は恐らく、俺の事を心配してくれていたのだろう。予め行く場所を知らせておいたから…言わずに行った方が良かったかな…? 「…おかえり。」 「…おぅ、ただいま。」 奈津美の声を聞けた事が、無性に嬉しかった。
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