ネクタイと二人

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4月8日、今日は信也にとって、輝かしい日だ。 そう、宮崎高校の学校生活の始まりだ。 しかし、信也は大事な日だというのに、寝坊していた。 母「信也、早く起きなさい。今日から学校やろ。」 信也は眠たそうに、腰を上げ背伸びした。 信也「何だよ、今何時かやん。」 信也はまだ、起きてるが目は寝ていた。 母「8時18分よ。後、10分くらいしかないよ。お母さんもう、行っとくから。おくれないでよ。」母はそう言うと、仕事に行った。 信也「後、10分?」 信也の目がぱちりと覚めた。 信也「ヤッベー、遅刻する!急がな。」 信也は5分で仕度し、新しい、ネクタイを適当に、結び、家をあとにした。 信也「ハア、ハア、着いた。」 信也はギリギリで、教室に着いた。しかし、喜びもすぐに消えた。 信也「あー、ネクタイがない。」 全力で走って来たため、ネクタイが落ちたのであった。 信也「ヤバイよ、どうしよ。」 すると、[ガラガラ]と、ドアを開ける音がし、先生が入って来た。 と同時に後ろのドアも開き、女の子が入って来た。女の子を見ると、ネクタイが手にあった。 信也「あっ!」 先生「席に早く着きなさい。今日から君たちは宮崎高校の生徒だ。だから・・・。」 先生がなにか言ってる時、信也は、ネクタイを持ってる女の子を見ていた。“あれ、だれのだろう、おれのかなあ”そう思っているうちに、鐘がなり、先生は、話をやめ、教室をあとにした。 みんな緊張感に包まれていた。一緒の学校の人だけが、椅子から離れ、友達と話していた。 すると、ネクタイを持った女の子が、信也の方へ近づいて来た。そして、 女の子「ねぇ、これ君のやろ。走ってる途中で落としてったよ。」 そう言うと、ちょこっとだが、微笑んだ。 信也「あっ、ありがと。」 “よく見ると、かわいい”信也は、頬を赤くし、髪をかきながら、礼を言った。 女の子「うん。」 女の子は一言言うと、また、自分の席に戻った。 これが、信也とネクタイ少女【結衣】の最初の出会いであった。
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