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正人「高校生になったんだからさ、積極持てよ。今、女子のメアドいくつ持ってんだよ。」
信也「一人もいねぇよ。悪いかよ。」
正人「はあ、まあがんばれや。今日こそはゲットしろよ。」
信也「ああ。」
今日こそは、、、何回聞いただろうと思うぐらい、正人の口から聞いた。
自分でも、分かっている
。でも勇気が出せないのである。
そんなこんなで、学校が終わった。
正人「今日も結局聞けなかったな。ドンマイ。また明日が、あるさ。じゃ、バイビー。」
生徒A「正人、早くサッカー行こうぜ。」
正人「おう、待て拓也。」
正人とはこの頃帰ってない。サッカー部に入ったのである。外は雨が降っていた。
信也「雨の中がんばるよなあ。しかも、おれ、傘忘れたよ。うぜーなあ。」
信也は、学校の玄関前で、一人ぽつんと立っていた。“どうしよう、濡れて帰ろうかな。”信也は、ちょっぴり迷ったが、決心した。“よし、濡れて帰ろう。”信也の足が前に動いた、その時だ。
結衣「あっ、工藤君。どうしたと。傘は?」
“おいおい、マジかよ。”信也は、不意をつかれたような感覚だった。
信也「おっおう。それがよ、傘忘れてしまってよ。今濡れて帰ろうかな、なんて、思ってたところ。」
信也の顔は、リンゴのように赤くなっていった。
結衣「そうと。じゃあ、貸してあげる。うち、傘、2本持ってきてるから。はい。」
信也は、またまた、不意をつかれたような感覚だった。差し出された、傘をゆっくりと手に取った。手汗が傘に染みるのが、信也にもわかった。
信也「あっありがと。ほんとにいいのか?」
結衣「うん。」
信也は、その時、結衣が天使のように見えた。
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