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『……暑そう…。
やだな…出たくない…』
げっそりと
玄関の前にたたずむあたし。
そして……
体操服であるジャージ、
大きな鞄を持ったあたしを
後ろからドンッと押す人。
『……いったい!!』
「早く出ろ亜紀ー。
俺が遅れる!」
珍しく遅出のお父さんが
あたしの背中を押した。
『……はぁい…』
ガチャッと家の扉を開けると
モワッとあたしの体を包む
生ぬるい空気。
鋭く照らす太陽。
――真夏の日ざし。
『暑いー!!』
そんな外の空気に
あたしは一気に汗ばんだ。
「気をつけて行けよー。」
『はーい……。
いってきます!』
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