序章 旅立ち! 母の想いを乗せて!!

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伝えて下さい」 と頼まれた。 この母から受けた思いを見事に遂行してこそ、立派な皇子となり間違いなく素晴らしい妃を見つけることが出来るだろう。 ……受け取ってくれるな?』 レッドは無言のまま、コクリと頷いて手を差しのべ遺灰を受け取った。 『今夜はもう遅い。 旅立つのは、明日の朝にでもして、ゆっくり体を休めるといい。 旅支度はギブレに私から頼んでおこう』 そう言ってブレイザー王は広間へと戻って行った。 『はあ~あ。 長い昔話だったぜ。 さ、これで心おきなく旅が出来るな? 良かったじゃないか、レッド』 イフリートは気休めで軽く言った一言にレッドは。 『おい! イフリート!!お前、母上の話、全部知っていて隠していたんだろ? なぜ、黙っていたんだ?』 『おいおい、なんで俺に噛みつくんだよ? これは、アンタら親子の宿命だ! そこに精霊様を巻き込むなっての! それぞれの一族は、皆様々な宿命を背負って生まれて来たんだ。 精霊は、それを見守ることしか出来ねぇし、例え血の繋がっている者がいようとも精霊は他言はしちゃいけねぇ~って規則があるんだよ。 そもそも精霊に、そんな事を聞けなくて怒る皇子を見るのが俺にとっては異例だよ!』 『……ったく、そんなことだけはまともに規則とか言って守るんだな、お前は。 ま、いいさ。 確かに、これで心おきなく旅が出来るのは、その通りだ。 そうと決まれば、俺はもう寝る』 これでレッドの心の中のモヤモヤとした不安はひとつ取り除かれたに違いない。 と安心したイフリートであった。
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