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『………やはり、そうであったか。』
レッドの背後にいつの間にかブレイザー王の姿があった。
『あ…父上っ!!
いつの間に、そこにいたんですか?
い、今の話は別に何も……本気で言ったワケではありませんから……その気にしないで下さい』
レッドは慌てて隠そうとするがブレイザー王は手に取るように考えが分かっていた。
『いいや、レッドよ。
この期に及んで、隠し事など無しにしようではないか。』
ブレイザー王は真剣な眼差しでレッドを見つめた。
『うっ、親父さんがきちまったから俺は、この辺で失礼するわ!親子仲良く話をしてくれよ』
『遠慮するな、イフリートよ。
お前と、こうして会うのも久方ぶりだ。
もう少し、私の話に付き合ってくれ』
『………しゃ、しゃあねぇ~な。
アンタの頼みなら、断れねぇ~からよ。
分かったよ、付き合うよ』
『うむ。
礼を言う。イフリートよ。
……では、話の続きをしよう。
レッドよ、お前の思いは確かに受け止めた。
今から、嫁探しの旅に出るがよい。
その間は、王族としての役割は全て、この私が請け負うとしよう。
だが、嫁を連れてくるまでは、このフレアスターの地に一歩も踏み入れることは許さんぞ。
それを条件にして、 水の都市ウォータースターへの帆船を用意しておく。
帆船に乗り込み、ウォータースターに向かい、そこでマリン王に会うがよい。嫁探しのきっかけが必ず見つかるだろう』
『……なぁ、父上。
俺に、どうしてそこまで出来る?
王族として何一つとしてせず、ワガママを押し通そうとする俺に、なぜそこまでするんだ?』
眉を潜め、素直に疑問を投げかけるレッド。
『………父親だからだと、思って言うからと言う理由があるが
本意としては、今のお前の姿がまるで若き日の私を思い出させてもらったからだと言うのもある』
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