第一話 ~自由~

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「そんな怖い顔するなよ~。俺は孤児院から頼まれて、君を迎えに来ただけだから♪」 ………そうか、こいつが院長の言ってた雇い人か。 「ねぇ、君どうして脱走なんかしたの?………って、大体予想がつくんだけどね。――――“麻薬”……だろ?」 こいつ、何のつもりだ?僕を捕まえたいのならさっさと捕まえればいいだろ。 「君のことは一通り調べさせてもらったよ。新種の麻薬『ルイン』の開発者なんだってね」 「………何がしたいんですか?」 「ん?」 「僕を連れ戻しに来たならさっさと捕まえればいいじゃないですか!」 そう言われると青年は少しの間悩み、こう返した。 「君は孤児院に帰りたいの?」 帰りたいわけ……ない。そのために孤児院を抜け出したんだ。 「嫌……だ…。僕はもう……」 「うんうん。それが本当の気持ちだろ♪」 この大人、今まで出会った大人たちと何か違う。 「あの車……前に見たことあるな……」
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