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「そんな怖い顔するなよ~。俺は孤児院から頼まれて、君を迎えに来ただけだから♪」
………そうか、こいつが院長の言ってた雇い人か。
「ねぇ、君どうして脱走なんかしたの?………って、大体予想がつくんだけどね。――――“麻薬”……だろ?」
こいつ、何のつもりだ?僕を捕まえたいのならさっさと捕まえればいいだろ。
「君のことは一通り調べさせてもらったよ。新種の麻薬『ルイン』の開発者なんだってね」
「………何がしたいんですか?」
「ん?」
「僕を連れ戻しに来たならさっさと捕まえればいいじゃないですか!」
そう言われると青年は少しの間悩み、こう返した。
「君は孤児院に帰りたいの?」
帰りたいわけ……ない。そのために孤児院を抜け出したんだ。
「嫌……だ…。僕はもう……」
「うんうん。それが本当の気持ちだろ♪」
この大人、今まで出会った大人たちと何か違う。
「あの車……前に見たことあるな……」
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