第一話 ~自由~

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「孤児院の連中……!」 間違いない。あの車は院長の車だ。偶然ここへ来たのか?それともこいつをつけてきたのか………。 「どしたの、君?」 青年は青い顔で震えている少年を見た。 この震えよう、尋常じゃない。よほど孤児院を嫌がっていると思える。 「やれやれ、今日はこれでおしまいだ」 やっぱり僕を捕まえるんだな。大人なんて所詮、金の為に生きてんだから。 「じゃ、今から言う二つの選択肢の内、一つを選んでくれ」 いきなりの展開に少年は唖然とした。 「一つ、このまま捕まりおとなしく孤児院へ帰る」 「……」 「二つ、……………」 青年はこそっと耳打ちをすると、あっちへ走っていった。 「変な奴……」 少年は孤児院の連中に見られないよう、こっそりと公園を後にした。
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