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「孤児院の連中……!」
間違いない。あの車は院長の車だ。偶然ここへ来たのか?それともこいつをつけてきたのか………。
「どしたの、君?」
青年は青い顔で震えている少年を見た。
この震えよう、尋常じゃない。よほど孤児院を嫌がっていると思える。
「やれやれ、今日はこれでおしまいだ」
やっぱり僕を捕まえるんだな。大人なんて所詮、金の為に生きてんだから。
「じゃ、今から言う二つの選択肢の内、一つを選んでくれ」
いきなりの展開に少年は唖然とした。
「一つ、このまま捕まりおとなしく孤児院へ帰る」
「……」
「二つ、……………」
青年はこそっと耳打ちをすると、あっちへ走っていった。
「変な奴……」
少年は孤児院の連中に見られないよう、こっそりと公園を後にした。
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