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七夕の日だけあって街全体がお祭りムードだ。あちこちにある笹にはたくさん短冊が下がっている。
「ねぇテール、夜店があるよ~♪」
ハクレイさんのテンションが一段と上がってる。まるで子供みたいだ。
「はい、わたあめ」
………何だこれ?割箸の先についてるのって……わた…?
「どしたの?食べないの?」
「えと……これ何ですか?」
「えぇ!?わたあめ知らないの!?」
「む…」
そんなに驚くことないじゃないか。こんなもの初めて見たんだから。
「そっか…。まあ一口食べてみなよ。絶対美味しいから♪」
霆流は恐る恐るわたあめというものを口にした。
「甘い…」
口に入れた途端、一瞬にして溶けて無くなる。後に甘味が口一杯に広がった。
これがわたあめ……か。
「美味しい?」
「はい…」
「じゃ、次行ってみよー!」
そして二人は「金魚すくい」・「射的」・「輪投げ」と、色んな店を歩き回った。霆流は初めて見るものに興味を抱き、その横で零人が無邪気な笑みを浮かべる。新鮮な感覚に戸惑いながらも、決して嫌な思いはしなかった。
この気持ちって何なんだろう…。
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